セミナー概要
| セミナータイトル | 金融ストラテジスト3名が結集!2026年、金融市場の行く年、来る年~日米新政権の行方とAI相場の持続性、そして、浮上する新たな投資テーマ~ |
| 主催 | アイザワ証券 |
| 登壇者 | ・上野 裕之 氏(三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社) ・田中 純平 氏(ピクテ・ジャパン株式会社) ・河西 幸弘 氏(アイザワ証券株式会社) |
| 開催日時 | 2025年12月21日(日) 10:00 ~ 11:30 |
| 開催場所 | オンライン |
| 対象 | 条件なし |
| 参加費 | 無料 |
2026年の金融市場を考えるうえで重要なのは、「来年は上がるのか下がるのか」といった単純な予想ではありません。
むしろ、どの変数を見て、どう判断すれば後悔しにくいかを理解できているかどうかが、投資結果を大きく左右します。
アイザワ証券主催の本セミナーでは、日本・米国の金融政策や政治動向、AI相場の持続性、そして分散投資の考え方まで、相場の“背景”をどう読むかに焦点が当てられていました。
内容についてセミナーレポートで簡単にまとめていますので、難易度や興味分野かどうか等をみていただき、今後開催のセミナーの参加を判断していただければと思います。
セミナーレポート
日本市場|利上げは「できた」が、簡単ではない局面へ
日本市場については、日銀の利上げをどう捉えるかが大きなテーマでした。
ポイントは、「利上げ=強気材料」と単純に考えないことです。
- 米国経済・通商政策の影響は残るが、見通しやすくなった
- 賃金は来年も比較的高い水準で上がる可能性
- 一方で、サービス物価が伸びきらず、需要主導のインフレとは言い切れない
つまり、「利上げは実施できたが、継続的に利上げできる環境かというと微妙」という、判断が難しいフェーズに入っているという整理です。
預金金利が上がっても、インフレに追いつかない状況が続く可能性があり、家計にとっては「預金だけで守れる局面ではない」という現実も改めて意識させられます。
日本株|相場を支えているのは“期待”ではなく“需給”
日本株について印象的だったのは、株価を押し上げている主因が「業績期待」だけではないという点です。
セミナーでは、
- 自社株買いの増加
- 持ち合い解消の継続
- 「現金を持ちすぎている企業」への視線の変化
といった需給構造の変化が強調されていました。これは、「景気が急回復しなくても、株主還元が相場の下支えになる」という状態でもあります。
短期的な景気指標よりも、企業行動そのものが株価を支えているという点は、日本株を見るうえで重要な視点です。
米国市場|AI相場は「すぐ崩れる」と決めつけなくていい
米国市場では、AI関連投資が引き続き中心テーマでした。AI相場に対しては「バブルでは?」という声も多いですが、セミナーでは、
- データセンター向け設備投資は中期的に増加見通し
- EPS(1株利益)が伴っており、株価だけが先行しているわけではない
- 循環取引などのリスクはあるが、概念が出た=即崩壊ではない
という、かなり冷静な評価が示されていました。特に重要なのは、「次の決算で何が確認されるか」という視点です。
AI投資は、設備投資 →売上 →キャッシュフローという検証フェーズに入りつつあり、ここを確認しながら評価が進む局面にある、という整理でした。
米国政治|中間選挙は“リスク”であり“ブレーキ”にもなる
2026年に向けては、米国の中間選挙も重要な変数です。過去のデータを見ると、
- 中間選挙の年は株価が伸びにくい傾向
- 与党が議席を失いやすい
という特徴があります。
ただし今回のセミナーでは、「支持率を意識するからこそ、極端な政策が取りにくくなる」という見方も示されていました。
株価は、国民の支持と直結しやすい指標です。そのため、政治リスクは常に「下落要因」ではなく、過度な引き締めを抑える要因になる可能性もあるという整理が印象的でした。
分散投資|「いつ崩れるか」より「崩れた時どうするか」
セミナー後半では、分散投資の重要性も強調されていました。AI・半導体といった成長テーマは引き続き有望としつつも、
- 金(ドル安局面・不透明感への備え)
- バイオ(金利低下局面との相性)
といった資産を組み合わせることで、“全振りしない構成”を作るという考え方です。
暴落のタイミングを当てることはできませんが、暴落時のダメージを抑える設計はできるという、後悔しないための現実的な視点でした。
参加してみての感想
正直なところ、このセミナーは「投資を始めたばかりの人向け」ではありません。
チャートの見方や銘柄選びをゼロから教える内容ではなく、すでに投資をしていて、
- ニュースは追っている
- 市場の雰囲気もなんとなく分かる
- でも「判断の拠り所」が曖昧になっている
そんな人に向けたセミナーだと感じました。
特に印象的だったのは、「2026年はどうなるか」よりも、「何を見て判断すべきか」に重きが置かれていた点です。
日銀の利上げひとつを取っても、「利上げ=株にマイナス」と単純化せず、
- 物価の内訳(財とサービス)
- 賃金との関係
- 実際に“次の一手”が打てる環境かどうか
といった判断材料を分解して説明していました。
また、AI相場についても「バブルかどうか」という極端な二択ではなく、
- EPSは伴っているのか
- 設備投資が売上・キャッシュにどう返ってくるか
- どの段階で“検証フェーズ”に入るのか
と、冷静に見るための視点が共有されていたのが印象的です。
個人的には、「当たる予想」をもらうより、“外したときに納得できる考え方”をもらった感覚に近いセミナーでした。
相場はどうしても、「楽観と悲観」「強気と弱気」が極端に振れがちです。その中でこのセミナーは、過度に煽らず、かといって慎重すぎもしないちょうど中間の立ち位置で、市場を整理してくれる内容だったと思います。
このセミナーがおすすめの人
✔ 投資経験があり、判断軸を整理したい人
- 株式・投資信託の経験がある
- 金利・CPI・EPSといった用語に聞き覚えがある
- 相場を“雰囲気”ではなく“構造”で理解したい
こうした人にとっては、非常に学びの多い内容です。
✔ ニュースは見ているが、どう活かせばいいか迷っている人
日銀の利上げ、AI相場、円安、米国政治――個別のニュースは知っていても、結局、自分の投資判断にどう関係するのか?と感じている人には、思考整理に役立ちます。
✔ 中長期でポートフォリオを考えたい人
短期売買ではなく、
- 数年単位で投資を考えている
- 暴落を“予想”するより“備えたい”
という人に向いています。
△ あまり向いていない人
一方で、
- 投資を始めたばかりで用語が難しい
- 「おすすめ銘柄を1つ知りたい」
- できるだけシンプルな答えが欲しい
という人には、やや専門的に感じる可能性があります。
まとめ
本セミナーは、「正解を教える場」ではなく「後悔しにくい判断軸を作る場」でした。
2026年に向けて、
- 日本株は需給と株主還元
- 米国はAI投資の検証フェーズ
- 政治・金利・分散投資をセットで考える
こうした視点を持っておくことで、相場に振り回されにくくなるはずです。
アイザワ証券では毎月さまざまなテーマでセミナーが開催されているほか、会員制のアイザワ証券投資情報サイトではセミナーアーカイブが公開されています。
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