セミナー概要
| セミナータイトル | 企業を見る力を磨く、投資家目線のIR体験 |
| 主催 | ABCash × Laxus |
| 開催日時 | 2025年12月6日(土) 19:00 ~ 20:00 |
| 開催場所 | ABCash Technologies本社 渋谷マークシティ ウエスト15F |
| 対象 | ➖ |
| 参加費 | 無料 |
| 公式URL | セミナー情報はこちら |
本セミナーは、お金の教育を手がけるABCashがブランドバッグのサブスクサービスを展開するラクサステクノロジーズ株式会社を招いて行われました。
投資家視点でIR(企業説明)をどう聞けばよいのか、実際の企業事例(ラクサス)を通じて、事業内容・ビジネスモデル・想いを立体的に理解することができます。前半は「IRを投資家の目線でどう読み解くか」のレクチャー、後半はラクサスによる企業プレゼンという2部構成で進行しました。
セミナーレポート
投資家視点でIRをどう聞くか
前半パートでは、まずIRそのものの意味づけからスタート。
- 企業側にとってのIR:「こんな未来をつくっていきます。だから応援してください」というプレゼンの場
- 投資家側にとってのIR:「自分のお金を託す価値があるか」を見極める場
そのうえで、IRプレゼンを聞くときに意識したいポイントとして、
- どんな人の、どんな悩みを解決している会社か
- その悩みを、どんな仕組み・サービスで解決しているのか
- それを、どうやって収益化しているのか(ビジネスモデル)
という3つの視点が紹介されました。
「今日のラクサスさんの話も、この3つの問いを頭に置きながら聞いてみましょう」という呼びかけとともに、後半パートへ。

ラクサスによる企業プレゼン
後半は、ラクサステクノロジーズの登壇者による企業プレゼンテーションでした。
サービス概要から、ブランドバッグのシェアリングという事業特性、ビジネスモデル、事業に込めた想い、今後の展開まで、数字とストーリーの双方から丁寧に紹介されました。
徹底して内製化されたオペレーションという確固たる強み
ラクサスの大きな特徴は、ブランドバッグを数万点規模で保有しているだけでなく、調達・検品・修理・保管・配送・アプリ開発まで、ほぼすべてを自社内で完結させている 点です。
これにより、
- バッグの状態を一定に保つ
- 返却〜次の利用者への準備を最短で回す
- 修理技術を高めて廃棄を限りなくゼロに近づける
といったサブスク事業の生命線が維持されているとのこと。
実際、修理チームの紹介では、色補修・革の再生・縫製のやり直しなど、専門家レベルの繊細な作業を行っている様子が共有され、参加者からは驚きの声が上がっていました。
ユーザーが“循環”に参加する仕組みも魅力

個人的にもっとも心が動いたのは、ユーザー自身が気づかないうちに サステナブルな循環の一部になっている という点です。
ユーザーがラクサスを使い始める理由は、きっと多くが「ブランドバッグを気軽に使いたい」「購入より安く楽しみたい」といった、ごくシンプルな動機だと思います。
しかしサービスを利用していく過程で、いつのまにかユーザーがラクサスの掲げるサステナブルな世界観に巻き込まれ、その一員として“循環”に参加していることに気づきます。
その象徴的な取り組みが、配送箱として使われる リユースボックス。箱を再利用することで環境負荷を減らせる仕組みですが、ラクサスではこのリユースボックスの利用可否を ユーザー自身が選べる ようになっています。
「せっかくだし、リユースでいいかな」そんな小さな選択が、エシカルな活動への参加に変わっていく。
これこそが、企業の想いにユーザーが自然に巻き込まれていく瞬間だと感じました。
そして実際に、
- バッグを以前より丁寧に扱うようになった
- 思いを綴った手紙を同封するユーザーが増えた
といったエピソードも紹介されていました。
こうした現象は、単なるサブスクサービスではなかなか生まれません。
ラクサスが大切にしてきた文化や価値観が、ユーザーの行動まで変えていく“共創”の関係 をつくっているのだと強く感じました。
提示された成長戦略も具体的
ラクサスが今後取り組む、
- バッグのサブスク会員の拡大
- 役目を終えたバッグの販売チャネル拡大(キャットストリートの実店舗など)
- 他社アプリへのシェアリング機能提供
- バッグを“買えるけれど返せる”新サービス「ラクもち」展開
などが説明されました。
サブスクから始まって、ものの「循環」全体を支える企業へと進化していこうとしている姿勢が伝わってきました。
参加してみての感想

率直に言うと、参加前は「IR情報を投資家目線で聞く勉強会」というイメージで、主に数字の見方を学ぶ場だと思っていました。けれど、実際に参加してみると、そうした堅苦しい“決算説明会”の雰囲気とはまったく違いました。今回のセミナーで何より印象的だったのは、プレゼンを聞くうちに ラクサスという企業とサービスのファンになってしまったことです。
もちろん、「どんなビジネスモデルなのか」「今後どう成長していくのか」といった内容も興味深く、事業としての面白さもしっかり伝わってきました。しかし、それ以上に心に残ったのは、事業に込められた “想い”や“問題意識” でした。そして、その想いにユーザーが自然と巻き込まれているという事実です。
先にも触れましたが、ラクサスの「リユースボックス」。環境配慮とコスト削減の両面から配送箱を再利用する仕組みですが、ユーザー自身が「リユースボックスを使う/使わない」を選択できます。この“選ぶ”仕組みが、ユーザーをエシカルな取り組みに巻き込むきっかけになっています。ほかにも、リペア部門の丁寧な姿勢や、ユーザーからのお手紙に一通ずつ手書きで返信している話など、随所に企業文化としてのあたたかさが感じられました。
「IR=数字や決算の説明」という固定観念を良い意味で裏切られ、“数字の背景にあるストーリーを知ることも投資家視点の一部なのだ”ということを強く実感できる時間でした。
このセミナーがおすすめの人
初心者でもまったく置いていかれず、確かな学びと感動を持ち帰れるセミナーです。
ビジネスを深く理解したい社会人にこそ、ぜひ参加してほしい内容でした。
投資初心者で、企業を見る視点を身につけたい人
投資の本質は「企業の未来を見極める力」。
とはいえ、決算資料を前にして「どこを見ればいいの?」と迷う人も多いはず。
このセミナーでは、IRを聞くときの“見るべき3つの軸”を明確に教えてくれるため、初心者でも企業分析の入口がスッと理解できます。
「企業ってこういうふうに見るんだ」という“地図”が手に入る感覚です。
「IRって何を聞けばいいの?」と迷っている人
IRはただ数字を追うだけの場ではなく、“企業が未来に向けて何を語るか”を聞く場所だと気づける内容でした。
質問例や注目ポイントも紹介してくれるため、「次にIRを聞くときはここを見よう」という明確な視点が身につきます。
IR参加のハードルが一気に下がるはずです。
サブスクやシェアリングモデルの裏側を知りたい
サブスクは「貸す→返す」という単純な構造に見えて、実はオペレーションの仕組み、在庫管理、品質維持、ユーザー体験など、多くの設計思想が絡み合って成立しています。
ラクサスはその“裏側”を惜しみなく見せてくれたため、成功しているシェアリングモデルのリアルな難しさ・工夫を深く理解できます。
事業づくりの教材としても非常に価値のある内容です。
サステナブルなビジネスに興味がある人
環境配慮の取り組みは「掲げるだけ」になりがちですが、ラクサスはリペア技術・リユース設計・ユーザー参加型のエシカル選択など、“日常の中に自然とサステナブルを組み込む仕組み”が徹底されています。
理念ではなく、実際のオペレーションに落とし込まれている点が魅力。
SDGs文脈のビジネスを学びたい人にとって非常に参考になります。
数字だけではなく“企業のストーリー”を知りたい人
IRを聞くと、どうしても売上・利益・成長率に意識が向きがち。
しかし今回のセミナーでは、企業の文化・価値観・課題意識といった“数字が生まれる前提となるストーリー”が丁寧に語られました。
ファンが増える理由、ユーザーに愛される理由が理解でき、「企業を好きになる」という体験も味わえます。
投資を“人を見る行為”として捉えている人にも響く内容です。
新規事業やマーケティングのヒントを得たい人
ラクサスの話には、ユーザーの行動設計、ブランド体験、共創文化など、マーケティングの学びが随所に散りばめられていました。
特に“ユーザーを巻き込みながら文化を育てる”という考え方は、どんな事業にも応用できる普遍的な視点です。
新規事業担当・企画職・マーケターにとっては良質なインプットになります。
単純にラクサスというサービスが気になっている人
公式サイトでは分からない、「なぜこのサービスが支持されているのか」というブランドの裏側・思想・こだわりに触れられます。ユーザーの手紙や修理の裏側など、企業の“人格”を感じられる話も多く、ファン化する参加者が多いのも納得。
ライト層でも楽しめるセミナーでした。
まとめ
「どんな悩みを、どう解決し、どう収益化しているか」という軸で企業を見ること。そのうえで、事業に込められた想いやユーザーとの関係性まで含めて理解すること。の大切さを、実感を持って学べる時間だったと思います。
IRを聞きに行ったつもりが、気づけば企業やサービスのファンになって帰ってきた——そんな体験ができるのも、このセミナーの魅力です。
投資やIRに興味はあるけれど、難しそうで一歩踏み出せていない人ほど、こうした「体験型」の場に参加してみる価値があると感じました。
