三井住友銀行のOliveに関して、支払い方法をアプリで切り替えられる点に魅力を感じている方は多いでしょう。ただし制約や還元率が上がる条件等を知らないと後悔する可能性があります。今回はOliveがおすすめしない人の特徴や、iD決済をメインに考えている人向けのカードについて解説します。
【このタイプはOliveを作るな】おすすめしない人の特徴と理由
まずはOliveがおすすめできない人に共通する4つの点について解説していきます。
iDやQUICPayをメイン決済にしたい人
三井住友銀行のOliveは「フレキシブルペイ」といって支払いモードをアプリでシームレスに切り替えることができますが、iD払いの場合は選択したモードにかかわらず支払い方法がデビットカードに固定されるため、クレジットモードをメインに使いたい人は注意が必要です。
また、OliveはQUICPay支払いには対応していません。よって、iD・QUICPay払いをメインにしたい人にOliveは向いていません。
ポイントアップ条件を管理するのが面倒な人
Oliveで支払いをすると、利用金額に応じて「Vポイント」が貯まります。Vポイントは「Vポイントアッププログラム」という、特定の条件を満たすことで還元率が最大20%まで上がるプログラムに対応しています。
一見するとポイントが貯まりやすく優れたプログラムですが、実際は還元率を上げるために必ず特定の店舗を利用する必要があったり、タッチ決済が必須であるなど、複雑な複数の条件をクリアする必要があります。
- 決済方法にOliveを利用する(通常ポイント):+0.5%
- ポイントアップ対象店舗でタッチ決済・モバイルオーダーを利用する:+6.5%
- 6人以上の家族会員を登録する:+5.0%
- その他条件(証券口座取引・Vトリップ・住宅ローン等)を全て達成:+8.0%
そのため、資金管理以外にポイントアップ条件を管理したくない人には向いていません。また何も考えずにポイントを貯めたい人や、デビットカードはできるだけシンプルに使いたい人にもおすすめできません。
特定のコンビニ・チェーンをあまり使わない人
ポイント還元率を上げるためには「特定の店舗を利用する」必要があるというのは解説したとおりです。一例として、次の店舗をよく利用する人はVポイントの還元率が6%上がるため、ポイントを効率的に貯めやすいです。
- セブンイレブン
- セイコーマート
- ローソン
- マクドナルド
- ケンタッキーフライドチキン
- ガスト
- はま寿司
- 吉野家
- スターバックス
同系列店舗でも、たとえば次の店舗は対象外となります。
- ファミリーマート
- ロッテリア
- 松屋
- フレッシュネスバーガー
よって、上記の対象店舗を全く利用しない人、または周囲に対象店舗がない人は還元率を上げにくいため、Oliveを利用するメリットが小さくなります。
三井住友経済圏にいない人
Oliveは、普段からSMBCグループのサービスを利用していない人にとってはメリットを感じにくいです。特定店舗での還元率上乗せも含めて経済圏外の人にとっては、他のデビットカードやクレジットカードと変わらない、または劣るように感じるかもしれません。
また、Oliveを利用するメリットを最大限享受するには三井住友銀行をメインバンクにする必要があるため、あくまでサブ運用を想定している人にとっては、わざわざOliveを選ぶ恩恵があまりないように感じられる可能性があります。
Olive作って実際に起きやすい後悔パターン
次はOliveを作ったものの、実際に想定していた利便性が実感できず、後悔しやすい3つのパターンについてそれぞれ詳しく解説します。
Apple PayでiDを使いたかったが、想定と挙動が違った
「Apple Payでクレジットカードで支払ったつもりがデビット払いになっており残高が減っていた」
OliveはApple PayでiPhoneに登録すればiD決済とVisaタッチの両方を使えますが、iD払いではデビットモードに固定されるため、当然のように「iDでもクレジット決済ができる」と考えている人はその挙動に戸惑うことがあります。
何も考えずにiD決済でもクレジットカード払いしたいなら、Oliveのような一体型ではなく、物理カード・スマホ決済のいずれかでiD決済に対応したクレジットカードを検討しましょう。
勝手にポイントアップしていると思っていたら条件を満たしてなかった
「ポイントアップの条件を満たしていたと思ったら満たしておらず、あとで確認したら思っていたよりずっとポイントが貯まっていなかった」
Oliveを使っている人は、ポイントアップの条件を正しく理解していないために損をすることがあります。すでに解説したとおり、OliveでVポイントを効率的に貯めたいなら「特定店舗で利用する」とか「タッチ決済を使う」などの条件を満たす必要があります。
Oliveは最大20%という高いポイント還元率を売りにしていますが、それはあくまで条件を「すべて」満たした場合の最高値です。平常時の還元率はあくまで0.5%であり、他の年会費無料カードと比較しても高いわけではありません。
そのため、Oliveを使っているだけでポイントが貯まると思い込んでおり、実際は条件を満たしておらず、ポイントを確認したら「想像していたよりポイントが貯まっていない」と感じることがあります。
「1枚で何でもできる」と思っていたが、使い所が限定的だった
「1枚で支払いモードを自由に切り替えられるのは便利で何でもできると思っていたが、実際は切り替えの使い所がかなり限定的だった」
Oliveはフレキシブルである点を売りにしており、1つのカード’(アプリ)でクレジット・デビット・ポイントモードをシームレスに切り替えられるのが強みです。
ただし「iD払いで利用するとデビット固定になる」といった制約があるうえ、人によってはそもそも切り替えが必要なシーンが少なかったりと、理想と実際の使い勝手に齟齬を感じる方も多いでしょう。
また、サービス開始当初からある「クレジットモードは専用のカード番号が発行される」という仕様があるため、受取時にカードを必要とする決済に使うとトラブルになる可能性があります。
このような制約があって実際に困る場面は少ないですが、Oliveへの期待値が強い人ほど「想像していたよりも使い所が限定される」となりやすい点には注意が必要です。
それでもOliveが向いている人の条件
次はOliveが向いている人に共通する5つの特徴についてそれぞれ解説していきます。
Visaタッチ決済をメインに使いたい人
Oliveは、Android端末の支払い方法管理アプリ「Google Pay」や、iOS端末独自の決済システム「Apple Pay」に対応しているため、支払い方法として登録すれば、対応店舗で「Visaのタッチ決済」で支払いできます。
この仕様のメリットは、端末が日本仕様おサイフケータイ(FeliCa規格)に対応していなくても、ほとんどの端末に搭載されている「NFC」で対応できる点です。日本仕様でないスマホ、いわゆる「おサイフケータイに非対応のスマホ」でも利用できます。
数年前とは違い、現在はコンビニやレストラン、カフェや家電量販店など、多くの店舗に設置されているカード決済端末がタッチ決済に対応しているため、カードを持ち歩かなくてもスマホだけで買い物ができます。
よって、スマホにFeliCaが搭載されていない方、また普段からVisaクレジットカードのタッチ決済をメイン利用している方やこれからそうしたい方には、Oliveをおすすめできます。
三井住友銀行を生活の中心口座にしている人
Oliveを発行する前から三井住友銀行をメインバンクとして利用している方は、Oliveに申し込むことで所定の回数振込手数料が無料になったり、Vポイントを効率的に貯められるなどの恩恵を受けられるため、おすすめできます。
一例として、Olive利用者には次のような選択できる特典が用意されており、個々のユースケースに応じて選べます。
- コンビニATM利用時の手数料が1回無料になる
- Vポイントアッププログラムで還元率プラス1%
- 月末の残高が1万円以上で1ヶ月あたり100ポイントプレゼント
- 給与・年金受取口座にしていると1ヶ月あたり200ポイントプレゼント
そのため、その中でも、ポイント還元率が上がる店舗をよく利用し、Vポイント経済圏が生活の中心になっている方は利益を最大化できるので「すぐ申し込むべき」といえます。
アプリ一元管理・シンプルさを重視する人
Oliveは一つのアプリ上で口座やポイント、証券の残高や損益を含めた資産を一元管理できるため、分散している家計管理をシンプルにして1つにまとめたい、と考えている方に向いています。
Olive以外にも一つのアプリで複数の資産管理ができるアプリはありますが、アプリ上でシームレスにクレジット・デビット・ポイント払い機能を切り替えられるのはOliveだけです。特に普段からアプリでの資産管理に慣れている人なら、その利便性を実感しやすいでしょう。
対象コンビニ・チェーンを日常的に使う人
すでに解説したとおり、Oliveは特定のコンビニやチェーン店で決済方法に使うと、Vポイントの還元率が上乗せになります。
これらの店舗ではスマホでタッチ決済したり、モバイルオーダーを利用することでさらに高い還元率アップが適用されます。普段からこれらの店舗を利用している人は貯めることを意識せずに効率よくポイントを貯められるでしょう。
ポイント最大化(ポイ活)を楽しめる人
OliveはVポイントのポイントアップだけでなく、特定の条件を達成すれば最大20%の還元率が適用されるため、ポイ活が生活の一部になっている人にもおすすめできます。
物理カードでのタッチ決済や磁気・差し込み決済、iD決済は還元率アップにつながりませんが、普段からスマホ決済を使っている方にとっては違和感なくポイントを効率的に貯められます。
逆にいえば、ポイント還元を目的にOliveを発行するなら、スマホでのVisaタッチ決済は必須となります。
iD決済を重視する人が検討すべき代替カード
Oliveがおすすめな人は「Visaのタッチ決済」をメインにする人であり、iD決済はポイントアップの対象外になるため、iD決済を重視する人は他のカードを選ぶ方が良いでしょう。
そこで次からは、iD決済を重視する人におすすめできるカードと、その特徴について解説していきます。
iDとの相性が良いカードの考え方
前述したとおり、Oliveは還元率アップの対象外となるiD決済との相性が悪いです。では、iD決済と相性が良いクレジットカードとは何でしょうか。それは「iDを使うことでメリットがあるカード」です。次のような点が挙げられます。
- iD決済を利用しても還元率(付与率)が落ちない
- iD決済を使うと付与ポイントにボーナスが付く
- 年会費が無料、または安い
iD決済が還元率アップの対象外ではないこと、そしてVisa・Mastercardのタッチ決済と還元率が同等、またはiD決済することで上乗せされることが重要です。この点はOliveとは真逆のポイント仕様といえます。
くわえて、年会費が無料、または安価であることも重要です。なぜならID決済は少額決済で使うことが多く、カードの種類によっては端数が積み上がらないこともあるため、できるだけ低コストで、付与条件が単純なカードを選ぶべきだからです。
Oliveと比較して見るべきポイント
iD決済が使えるものの相性が悪いOliveと他のカードを比較する際に見るべきポイントは、次の点です。
- 物理カード・スマホ決済のいずれかがiD決済に対応していること
- iD決済にクレジットカード決済でも対応していること
大前提として、Oliveと同様にiD決済に対応したカードであること、そして「クレジットカード決済でもiD支払いが使える」ことが、上位互換になるための条件です。
そもそもiD決済はチャージが不要な後払い前提の「ポストペイ型」です。そのためほとんどのデビットカードには搭載されておらず、デビットに固定されるとしてもiD決済が可能なOliveが特殊だといえます。
そのため、iD決済が物理カードに搭載されているか、Apple Pay・Google Pay経由でiD決済ができるカードを選べば、基本的には問題ありません。
代替カードを紹介
Oliveの代替としておすすめできるクレジットカードは次のとおりです。
- dカード:年会費無料でdポイントを効率よく貯めたいならこれ
- dカード GOLD:通常カード会員よりドコモ利用者特典などが豪華
- イオンカードセレクト:「イオンiD」によるiD決済でWAONポイントが貯まる
- Orico Card THE GOLD PRIME:年会費は有料だがiD決済で還元率が上がる
- P-oneカード:年会費が無料、請求時に自動で利用分の1%が割引
- ライフカード:iD決済でポイントが貯まる
上記のカードはどれもカード・スマホ決済いずれかまたは両方でiD決済に対応したクレジットカードであり、iD決済で「デビットに固定される」というような制限を受けずに利用できます。
細かいポイント管理が苦手な人が検討すべき代替カード
次は細かいポイント管理が苦手な人がOliveの代替として検討すべきカードについて解説していきます。
クレカでのポイント獲得の考え方
細かいポイント管理が苦手な人は「できるだけ多くのポイントを獲得しよう」ではなく、次の点を意識できます。
- ポイントの取りこぼしをできるだけなくす
- ポイントよりも割引の自動化を優先する
- キャッシュバックが得られるカードを選ぶ
まず重要なのは、ポイントをあくまで「おまけ」だと認識しつつも、決済時にはポイントを取りこぼさないようにルーティーンを組み、自動化しておくことです。たとえば普段から買い物に行く場所を提携店舗に限定し、意識せずともポイントが貯まるようにします。
ポイント管理は細かくやる必要はなく、貯まったポイントを確認するのも月1回程度で良いでしょう。交換先はあらかじめ決めておき、所定のポイントが溜まったら期限が切れるまえにすぐ使うようにしましょう。
ポイントではなくキャッシュバック特典があるカードを選ぶのも一つの方法です。ポイントシステムとは異なり期限がないため、ポイント管理をしたくない人にも強くおすすめできます。
Oliveと比較して見るべきポイント
ポイント管理が苦手な人がOliveと比較して見るべき点は、次のとおりです。
- Oliveよりも通常還元率が高いこと
- Oliveと同等またはそれ以上の高還元対象店舗があること(経済圏が広い)
Oliveと比較する際は、条件を満たさなくても常時適用される「通常還元率」に注目しましょう。Oliveは様々な条件を満たすことで最大20.0%の高還元率を実現しますが、通常還元率は0.5%です。
そのため「年会費が無料かつ通常還元率が1.0%以上」が比較するうえで最低条件となります。くわえて高還元になる対象店舗が自分の生活エリア内にあり、生活動線に無理なく乗せられることも重要です。
ポイント管理が楽なカードを紹介
ポイント管理をできるだけ楽にしたい人には、ポケットカード株式会社が発行する「P-oneカード<Standard>」がおすすめです。このカードには次のような特徴があります。
- Apple Payに登録してiD決済が使える
- カード請求時に自動で1%OFFされる
- 独自のポイントも貯められる
P-oneカードはApple Payに登録すればスマホでiD決済が可能で、さらに利用分が請求時に自動的に1%オフになるという、ポイント管理が面倒な人でもいつでも特典が適用されるという大きなメリットがあります。ただしGoogle Payには対応していません。
1%オフになるのは通常利用分だけでなく、公共料金も対象です。電気代やガス代などの光熱費にくわえ、電話代や国民年金などもP-oneカードで払えばお得になるというのは、他のカードにはないアドバンテージです。
くわえて、P-oneカードには「ポケット・ポイント」という独自のポイント制度があり、P-oneカード<Standard>ではボーナスポイントを獲得できます。貯めたポイントは「POCKET MALL」という自社通販の他、チケットや商品券の購入、他社ポイントやマイルへの交換にも使えます。
Oliveを選んで後悔しないためのチェックリスト
ここまで解説した点を踏まえて、次の「Oliveを選んでも後悔しない人」チェックリストにどれだけ自分が当てはまるか確認してみましょう。
- 一つのアプリで決済方法を切り替えられることに魅力を感じる
- iDやQUICPayはあまり使わない
- クレジットカードのタッチ決済(スマホ決済含む)を使いたい
- 獲得ポイントは自分で管理できる
- ポイ活が苦ではなく楽しむことができる
- 還元率アップ対象のコンビニやチェーン店をよく利用する
- 三井住友銀行をメイン口座にしている
Oliveは「フレキシブル・ペイ」とあるように、クレジット・デビット・ポイント機能をシームレスに切り替えながら使えるので、まずはこの点に魅力を感じるかどうかが重要です。逆にクレジットとデビットは完全に分離して使いたい方には向いていません。
タッチ決済に関しては、急速に多くの店舗がクレジットカードのタッチ決済に対応しはじめ浸透しつつあるため、iDやQUICPayより将来性があります。iD決済もできるもののポイントアップの対象外になるため、こちらはあくまでデビット専用・サブ運用となります。
くわえて、Oliveは三井住友銀行の口座開設が必須のため、それをメイン口座にしても構わないか、すでにメイン口座として使用している必要があります。クレジット利用分の引落口座も(他の三井住友カードがなければ)三井住友銀行のみとなり、他の銀行を指定することはできません。
Oliveに関するよくある質問
最後に、Oliveに関してよくある3つの質問に回答していきます。
Oliveの運用にはどのくらいコストがかかる?
Oliveは一般ランクのユーザーであれば入会費・年会費は一切無料なので、運用におけるランニングコストは発生しません。ゴールドランクなら5,500円の年会費が必要ですが、年間100万円以上の利用があれば、翌年度の年会費が0円になります。
申込みに審査はある?
Oliveはクレジット機能付きで申し込む場合、他のクレジットカードと同様に審査が行われ、審査に通過しなければデビット・ポイントモードのみの利用となります。
つくりが特殊なため、クレジット審査に落ちたからといってカード自体が作れなくなるわけではありませんが、クレジットとデビットをシームレスに切り替えられる、というOlive本来の売りであるフレキシブルさは失われてしまいます。
三井住友カードからOliveへの切り替えは可能?
Oliveは三井住友銀行が発行するカードであり、三井住友カードの発行するクレジットカードとは異なるサービスです。三井住友カードを持っている方も直接Oliveへの切り替えはできず、あくまで新規発行という形になります。
まとめ
Oliveは一つのカードで3つの決済方法を切り替えられ、Vポイントも効率的に貯められるという反面、iD決済は強制的にデビットモードになるなど、制約もあります。発行を検討している方は、他のクレジットカードとの比較も含めて、自分に向いているか、メインで使用しても問題ないか改めて考えてみましょう。
